アヒルと鴨のコインロッカー(伊坂幸太郎)

伊坂幸太郎は自分にとって四作目です。
グラスホッパー○、重力ピエロ×、ラッシュライフ◎(多分現時点での年間一位)と来てこれです。
お話は現在と二年前のエピソードが交互に語られて行きます。
現在は上京したての普通な若者目線で、隣人の河崎という男に知り合ってすぐ「本屋を襲撃しないか」と持ちかけられる巻き込まれ型のストーリー。二年前は琴美という女性の目線で、連続ペット殺害犯らしき若者グループに遭遇した、琴美とブータンからの留学生ドルジが主人公で、琴美の元彼として河崎が登場し、二つの話の接着剤となっています。本屋襲撃の目的は同じ下宿に住むアジアの留学生のために広辞苑を盗むためで、ここにドルジらしき人物が示唆されてます。
評価は△です(ただこれは私がすれっからしのミステリー読みなためで、そのフィルターをはずせば○でしょう)。途中で種が分かりながら読んで楽しい小説と、つまらない小説があるとすれば、「ラッシュライフ」が前者で、後者がこの小説でした。
なおこの本映画化されたらしい。よっぽど映画界はネタ不足なのか。

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)