馬券に関して簡単だけど凄く重要なこと

一昨日競馬についてちょっと語りましたが、ちょっと分かりづらかったかもしれない。ということで、凄く基本的なことを整理してみようと思います。でも今まで人に語ったことがないし、こういうアプローチは巷であるようでないので少し貴重かも。
それは運命についてです。はい、引かないように(笑)。簡単に例を挙げます。A,B,Cという馬が競馬をしました。結果はA,B,Cの順で決まりました。ここからが問題です。時間を巻き戻してもう一度同じ競馬をします。結果は同じでしょうか?
太郎君は何度やっても結果は同じと考えます。次郎君は次は別の結果が出るかもしれないと考えました。この二人には大きな考え方の違いがあります。結論から言えばどちらが正しいかは分かりません。ただ馬券論的に言えば次郎君のほうが戦略を多く持てて楽しいのです。
太郎君的に考えれば、馬券の正解は一つしかありません(正確に言えば馬券の種類毎に一つです)。勝つためには正解の馬券を持たなければなりません。
一方次郎君の考えを採用すると、馬券の正解は複数あります。例えばBの単を持っていたとして結果ははずれです。しかし別のシナリオでは彼の馬券は当ってたかもしれません。はずれたのは想定していたのとは別のシナリオが出現してAが勝ったからです。
どこが違うの?という方がいるかもしれません。
もう少し端的に言えば、競馬に神様がいるとして、結果をあらかじめ決めているのか、それとも決めているのは確率だけで、結果は決まっていない。結果は神の確率に従って出るということです。競馬の面白いところは、賭けた金額に対する倍率(オッズ)は神ではなく人が決めるというところです。太郎君的に考えるならA馬のオッズは考える必要がありません。2倍だろうが10倍だろうがA馬を買うしか正解がないのです。でも次郎君はオッズを見る必要があります。例えば神様確率がA馬50%、B馬30%、C馬20%であるとして、仮にそれが次郎君にあらかじめ示されたとします。しかし次郎君にはこの時点ではA,B,Cのどれが正解かは分かりません。では現実のオッズは神様の確率通りになっているでしょうか?神様確率に従えば適正オッズはA=2倍、B=3.3倍、C=5倍です(注:控除率があるので実際はこれだけつきません)。この倍率なら基本的にどの馬を勝ってもトントンの勝負です。しかしオッズは人間が作るので「歪み」ます。例えばA=1.6倍、B=4倍、C=5.8倍という感じです。この時点で神の確率から導き出されたオッズよりつくオッズならどれを買っても正しいことになります。つまりこの場合はBとCですね。結果はAの勝ちです。でも馬券のベストはBもしくはCです。実際には神様が神の確率は教えてくれませんから、まず次郎君のやるべき仕事は神の確率を推測すること、そしてオッズを見ることです。
以上が競馬に確率的な考え方を導入した結果となります。これは馬券に期待値論を導入するということと同義です。確率論を競馬に導入してみましょう。単一の正解を追い求めるより、更にコクのある競馬が楽しめるはずです。