葉桜の季節に君を想うということ

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

歌野晶午さんは、私が大学時代に所謂島田(荘司)学派として出てきた、新本格の人。
この本はこのミス一位になってて気にはなってたのですが、大学時代に読んだ本の文章が性に合わない印象が残っていて敬遠してた。結果、その敬遠が勿体無かったと後悔しました。多分トリックの凄さという点ではこの数年読んだ作品では随一かと。
思わずあっと声を上げてしまいました。最初からもう一度読み返すと作者の巧妙な罠が最初から仕掛けられていたことに気がつきます。全編を使った大きなトリックで、何を言ってもネタばれになるのでこれ以上は控えます。一つだけ言えばタイトルが非常に示唆的です。日常驚きに飢えてる方は是非お読み下さい。文章も20年前に私が読んだときとは全く別物、凄く上手くなってます。