電王戦第二局

30日に行われた第二戦(ponanza対佐藤慎一四段戦)、ニコ生で終局&記者会見までガッツリ観戦しました。
あくまで素人目の印象ですが、終盤やや人間有利で、ソフト側の若干無理目な攻めを人間側が受ける(但し正確に受け続けないと寄り切られる程の微差)展開、時間切迫で人間側が間違えたところを一気にソフトが寄り切った印象でした。
多分上記の展開はソフト側が勝てる確率の大きい展開のうちの一つで、序盤に難があるというのが分かってる中で、中盤まで上手く乗り切ってある程度離されないで終盤勝負に持ち込めたponanzaが素晴らしかったと思います。ponanza開発者の山本一成さんのツイートによれば、定跡ルーティンを使っていなかったそうで、開局から終局までほぼソフトが自立自走で考えてこれだけの棋譜が残せたことは、本当に素晴らしかったと思います。
現役のプロ棋士が初めて負けたことについては、勝った負けたで偉い偉くないって決める価値観ってのがどうしてもありがちな将棋の世界ですので、まあそういう捉え方をされる方は勝手にそうされたら良いのではないでしょうか。僕自身はponanzaも佐藤慎一四段も素晴らしい戦いぶりだったし、ソフト対人間というコンテンツがこれだけ楽しめる時代に生きられたことを嬉しく思っています。
今後の展望についてですが、今のプロの将棋って序盤から少しの良さを求め、それを優勢に拡大する技術がすごく発達しているじゃないですか。これは対ソフト戦で勝つためにドンピシャな技術な訳で。人間対ソフトの棋譜がある程度溜まってしまえば、対ソフトで逆転されない中盤までの乗り切り方というのは徐々に明らかにされ、長い持ち時間の将棋でソフトが人間相手に一発入れるのはどんどん困難になっていくような気がします。あくまでも個人的な予想ですが。