電王戦雑記(第一局:習甦ー菅井戦)

標記について気の向くまま書いてみたいと思います。文章の構成等を考えるのがめんどいので、箇条書きにします。あと情報のソースは示しませんのでソースのない情報は信じないという方は信じないでください。

・まず結果(習甦勝ち)が意外だったという感想が一番です。というのはその少し前にやねうら王が将棋倶楽部24に参戦してて、角交換振り飛車の逆棒銀に軽々と捻られる様子を見てたからです。菅井先生は事前研究もばっちりしてくるから角交換振り飛車を採用してくるだろう→楽勝みたいな感じで予想してました。あと電王戦に出場するソフトは習甦以外は全て事前貸出しによる研究に対する対策(対人対策)を講じているのに習甦は全くしていない。このあたりも事前研究一直線負け(なぞり将棋)が一番起こりそうなどと思ったり。

・しかし菅井先生の取った作戦は先手中飛車。ここでちょっと嫌な予感がしたのですが、それでも勝つだろうと。しかし序盤に圧倒的なリードを取れず(終盤ソフトに追い込まれることを考えて序盤で優勢を築くのが人間側の勝利パターンなのでそれにまず失敗)、また局面もソフトの計算力が生きる展開が続き習甦の押し切りとなりました。

・局後の諸々の情報によると菅井先生は習甦と200局近く指してほぼ五分の成績。これが一年前のバージョンにはほぼ勝ててたということですので、一年間という期間で習甦が格段に強くなったということでしょう。あと先ほど挙げた対人対策がないことについても、事前の練習将棋は出てこなかった手を指したということで、開発者の竹内さんが評価関数と時間配分に工夫をされたという発言を併せて考えると、危惧されていたなぞり将棋もソフト自身の力で克服されたということで、その点も称えたいと思います。去年の電王戦で習甦はソフト唯一の黒星を喫しており今回その雪辱をはたされ、竹内さんも溜飲を下げられたことと思います。本当におめでとうございました。棋譜的にも十分鑑賞に堪えうるいい将棋でした。菅井先生も慣れない場所での対局や負けられないプレッシャーもあって大変だったと思いますが、この経験を力に変えられる方だと思いますので今後の活躍を期待しています。

・一年でソフトがまた強くなったというのは、その予兆もありまして。去年GPSで同様の企画があった、Ponanzaに勝ったら百万円でポナが四日間のべ166名に全勝をしたと、GPSは二敗しましたのでその辺りから察してもよかったかもしれません。ソフトが今後どのぐらい強くなるかについては第二戦のやねうら王の開発者のやねうらおさんのブログにやねさんの見解が載っておりブレイクスルーがなければ長期的には頭打ちも考えられるということだったのですが、少なくともこの一年については強さが増せるような技術的な試みがなされ成功しているということでしょうね。

棋士への事前貸し出しあり、その間ソフトは改変できないというルール。クラスタも禁止という今回の対戦は流石にプロ棋士に有利だろうと僕は思っていましたが、その認識は誤っていたことが分かりました。今後の興味はどのプロ棋士がソフトに一発入れられるかってことに完全に移りました。

・あと今回から導入された電王手くんよかったですね。人間がソフトにこてんぱんにやられるってのはある意味悲壮感が漂いがちなのですが、彼の存在が一服の清涼剤の役目を果たしていたように思いました。

こんなとこですかねー。また何か思い出したら追記するかもしれません。では波乱の第二局雑記もお楽しみにー